苦悩の中録音されたホイットニー初のクリスマス・アルバム「ワン・ウィッシュ」

105月 - による HRS Happyman - 0 - アルバム
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One Wish
whitneyhouston.com

One Wish: The Holiday Album | Whitney Houston (2003)

1. The First Noel 2. The Christmas Song (Chestnuts Roasting On An Open Fire) 3. Little Drummer Boy featuring Bobbi Kristina Brown 4. One Wish (For Christmas) 5. Cantique De Noel (O Holy Night) 6. I’ll Be Home For Christmas 7. Deck The Halls/きよしこのよる 8. Have Yourself A Merry Little Christmas 9. O Come O Come Emanuel 10. Who Would Imagine A King(From Soundtrack “The Preacher’s Wife”) 11. Joy To The World(From Soundtrack “The Preacher’s Wife”)

全世界の販売枚数:—–万枚
全米の販売枚数(RIAA):50万枚
米ビルボード200 最高位49位
米ビルボード200にチャート・インした週数:13


ホイットニー、
キャリア初のクリスマス・アルバム


ドキュメンタリー「ホイットニー」の中で彼女が最も悲しく見えるシーンがある。撮影を待つホイットニーがカメラに向かって、「こんな(に元気のない)私を今まで見たことがないはずよ」と静かに呟くシーンである。

「ニッピー(ホイットニーのニックネーム)、答えて頂戴。ニッピーと連絡が付かないわ。ホイットニーはニッピーがいなきゃダメなの」と戯けるホイットニー。だがそれを観るファンには重い余韻を残す。

2003年11月18日、ホイットニーのクリスマス・アルバム「ワン・ウィッシュ」がリリースされる。前述のホイットニーはこのアルバムのためのプロモーション・ビデオの撮影を待っていた。

明らかなキャリアの衰退。家族の経済的な依存。結婚生活の問題と悪化するドラッグへの依存。彼女の人生が最も複雑で、苦しみに満ちていた頃である。彼女から金を盗み続けた父親ジョンが関係修復の前に亡くなってしまったこともホイットニーに大きな打撃を与えていた。

さて、ホイットニーのキャリア初となるこのクリスマス・アルバムには「ザ・ファースト・ノエル」「ザ・クリスマス・ソング」「リトル・ドラマー・ボーイ」などのスタンダードから、プロデューサーのゴードン・チェンバースが手掛けた
「ワン・ウィッシュ(フォー・クリスマス)」等全12曲が収録されている。

『天使の贈り物』以来、タッグを組んだMervyn Warrenがクリスマス・スタンダードと聖歌を現代風R&Bに仕立て直し、ホリデイらしく暖かい感触のするアルバムが出来上がった。前述のサントラから収録の2曲を除いた9曲が新録曲。

このアルバムが制作がされることになった経緯は明らかではないが、Just Whitneyのセールスが低調だったためにレーベル側から出された救済案ではないか。急いで製作した感が強く、ジャケットの写真もEssense誌インタビューに使われた写真の転用だ。

どの曲も彼女にとってお馴染みのものだからか、ホイットニーがリラックスして、いい意味でルーズに歌っている。アルバムを通してアドリブやリフの多用など、ライブ感があるのも特徴。ホイットニーの声のコンディションは前作「ジャスト・ホイットニー」と変わらず、良くない。特にタイトル・トラックでの彼女の声は所々、消え入りそうに弱々しく聞こえる。

そんな中、聖歌「O Come O Come Emanuel」では重厚なアカペラに乗ってホイットニーが渾身の力を込めて歌っている。その歌によって自らを救済しようとするかのような決死さを感じるトラックだ。

個人的に好きなのはリラックスしたサウンドと後半のアドリブが心地よい 「The First Noel」や「I’ll Be Home for Christmas」、ホイットニーならではのゴージャスなグリッサンドとぺーソスを加えて歌われるナット・キング・コールの定番ナンバー「The Christmas Song」あたりか。

だが目玉はボビ・クリスティナをフューチャーした Little Drummer Boyだろう。ディズニー映画を思わせる遊び心に満ちたアレンジメントに乗せて、ホイットニーはボビ・クリスティナと誇らしげに、そして自由に音楽と戯れる。

ホイットニーがボビに向かって「神様が私を見て、ほほえんだわ!」と歌いかける箇所、そして それに続く、ボビのクスクス笑いが聴く者のハートを暖かくする。

出典:whitneyhouston.com

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