ホイットニー、全てをオプラに語る9月14日放映分(後半)

2008年9月14日に放映された
『オプラ・ウィンフリー・ショー』によるインタビューの後半。
このインタビューではさらに深刻化したドラッグの依存について、
さらに問題が悪化していった結婚生活についての内容。
Whitney Tells All (Oprah.com)
Translation by HRS Happyman
ドラッグへの依存について
オプラ:
ドラッグはいつ頃使い始めたの?
ホイットニー:
「ボディガード」に出演する前は
ドラッグの使用はごく軽かった。
でもボディーガードの後、私はボビ・クリスを出産して、
それから量も回数も増え始めたわ。
オプラ:
あなたの使ったドラッグは何だったの?
ホイットニー:
コカイン。そしてマリファナ。それだけよ。
でもボビーはお酒が好き。私は酒は以前は飲まなかったんだけど。
アルコール依存症って、本当に醜いものなのね。
明るく楽しいアルコール依存症になるか、
本当に意地悪になるかのどちらかなのね。
彼が酔った時は本当に意地悪になった。

オプラ:
彼は飲んだときに彼の性格は変わるタイプ?
ホイットニー:
ええ、劇的に変わったわ。
オプラ:
彼は暴力はあなたに暴力は振るったの?
ホイットニー:
私の兄弟や家族はボビーに対して
『いいか?前に言ったこと、覚えておけよ』
という態度だったから、ボビーは怖がって
表立って私に何かするようなことはしなかったわ。
でも私は、彼の前では小さな女の子になってしまうのよ。
面と向かって何かを言うこともできなくなってしまう。
肉体的な虐待はなかったけれど、
彼は感情面で虐待的だった。
とんでもないわよ、考えてもみて。
私は二人の兄と一緒に育てられたでしょ。
私は身近にあるものならなんでもひっ掴んで、
それを使って全力で反撃するわ。
オプラ:
じゃ、彼があなたに手を挙げたことは...
ホイットニー:
ないわ。
オプラ:
彼が手を挙げたことはなかったのね?
ホイットニー:
私の頬を一度平手打ちしたことがあるけど、
その後3回頭を殴られたのは彼のほうよ。
オプラ:
あなたが殴ったの?
ホイットニー:
そう。『OK、あんたは一線を越えたわ』って感じで。
ボビーがホイットニーの顔に唾を吐く

オプラ:
彼があなたに言った言葉で一番醜かったことは何だったか、
話してもらえる?
ホイットニー:
今でもその瞬間をおぼえているけど、
彼の誕生日に、私はアトランタにあるクラブ、
Buckheadで彼のためにパーティーを開いたの。
その夜、彼は浴びるようにアルコールを飲んだ。
そして何故かわからないけど、
彼をハッピーにするために私がしたことが全て、
裏目に出た、本当におかしな夜だった。
今の私には分かるけど、アルコール依存者は
誰かを虐待するのが好きなのね。
で、家に戻った時、
私がこれを言うのを彼は嫌がるだろうけど、
彼は私の顔に唾を吐いたの。
そしてちょうど私の娘が階段を降りてきて、それを見てしまった。
私はそういう育ち方をしなかったし、
一体なぜ、自分にそんなことが起きたのかわからなかった。
私を見るボビーの目の中に、憎しみが宿っているのが見えたわ。
私は彼を心から愛していたのに。
彼は自分の両親の面前で家に着くまで、
ずっと私を罵倒し続けた上、
私の顔に唾を吐いたの。
オプラ:
あなたはどう感じていたの?
ホイットニー:
恐怖でぞっとしたわ。
私の顔に唾を吐くだなんて。
オプラ:
あなたにとってターニング・ポイントとなる経験だった?
それとも翌朝、その経験を自分の中のどこか深いところへ
隠してしまった?
ホイットニー:
私はとても傷ついていたわ。
すごく怒ってもいた。
自分の中の何かが膨れ上がって、
爆発しそうになっているのを感じていた。
だから友達に電話して、
『お願い、私を迎えに来て、もう引き返せない』といったの。
そのとき、私はドアのすぐそばに立っていて、
私にはもう出て行く準備ができていた。
電話で私は友人に『私を迎えに来て』と言った時、
ボビーに壁に力づくで押し付けられたの。
電話中だった私は、受話器を握りしめ、それで彼の頭を殴った。
彼は床にくずれ落ちたわ。とにかく非常に感情的なシーンだったわ。
私の娘が階段を降りてきて、『ダディ?!』と叫んだの。
オプラ:
頭から血が出ていたの?
ホイットニー:
そう。『ママ、ダディに一体何をしたの!?』
と娘は私に尋ねたわ。
『(ボビーが)私にしてはいけないことをしたの。
これ(暴力)だけは私にしないでと言ったのに』
と私は繰り返したわ。
憎しみと醜さしかない瞬間だった。
さらに深刻化するドラッグの使用

オプラ:
「ボディガード」の前は軽かったドラッグの使用が、
映画の後には深刻になったのね。
ホイットニー:
ええ、量も回数も増えたわ。
私たちは自分達の痛みを隠そうとしていたのね。
オプラ:
CDアルバムの歴史において、
音楽史上最大のヒット作でもあった「ボディガード」が、
あなたを未曾有のスターレベルに押し上げて...
ホイットニー:
そう。その後、映画「ため息つかせて」に出演して、
そのアルバムも大ヒットしたわ。
オプラ:そして、「天使の贈り物」。
ホイットニー:
そして「天使の贈り物」。
「天使の贈り物」制作の頃には(ドラッグの使用は)日常的になっていた。
私はもちろん自分の仕事はこなしたけれど、仕事が終わった後、
1年か2年の間、ドラッグの使用は毎日のことだった。
その時点ですでに私はハッピーではなかったの。
私は自分自身を失いつつあった。
私の母が尋ねて来て、2回私と話をしたの。
母は『OK、何が起こっているのかはわからないが、
何か良くないことが起きているのは確かだわ』と感じたようだったわ。
オプラ:
あなたは自分自身に起きていることを否定していたの?
ホイットニー:
そうじゃないわ。
ただそれについて話そうとしなかっただけよ。
ボビーの浮気と家庭内暴力

オプラ:
その結婚生活が上手くいかなくなったのはいつ頃なの?
ホイットニー:
ピンとくるものよ。
『何かが臭う。何かがおかしい。何かが起こっている』と感じたわ。
そして、彼が他の誰かと一緒にいたとか、
遊びまわっていたという話が耳に入ってき始めた。
彼が私の家に汚れを持ち込んだのよ。
オプラ:
それはあなたを傷つけた?
あなたはそれに腹を立てたかしら?
ホイットニー:
心を乱されたし、憤慨していたわ。
オプラ:
そのニュースを信じたの?
ホイットニー:
ええ。私、事実かどうか確認したの。
浮気しているかどうか自分から探したわけではないけれど、
噂の確認はしたわ (笑)。
オプラ:
彼が他の女性と一緒に出かけて、
そしてあなたの家に帰ってくる...
ホイットニー:
私のクレジットカードを使って?
そんなのとんでもないわよね。私は許さないわ。

オプラ:
あなたは自分の結婚生活が終わったことを知りながら、
それでもまだ(ボビーのこと、結婚生活を)守ろうとしていたのね?
ホイットニー:
ええ。でも私は家から家具を運び出し始めたの。
少しづつ、少しづつ、私は自分自身をあの家から出そうとしていた。
彼に出て行くように言ったこともある。
そうしたらボビーは『いや、お前が出て行け』と答えたの。
私が『これは私の家よ』と答えた時、
ボビーは私を引っ叩いたのよ。
でも彼、忘れていたんだけど、交通違反のために保護観察中だったの。
オプラ:
保護観察中は誰かを平手打ちなんてしちゃいけない、
ってことを忘れたのね。
ホイットニー:
そう、保護観察の期間に
誰かを平手打ちなんてしちゃまずいのよ!
暴力による違反だからね。
それが理由でこのケースは家庭裁判所送りになったわけ。
でも私、自分が彼のことを刑務所に入れるとは、
どうしても考えられなくて...
オプラ:裁判のたびにあなたが法廷に足を運ぶのは、
あなたは妻として自分の夫の側に寄り添うもの、
と思ったからかしら?
ホイットニー:
勿論そうよ。
妻なんだもの(笑)
オプラ:
端から二人を見ていてとして、
あの時はわからなかったけど、今やっとわかったことのが一つあるの。
あなたは結婚の誓いを真剣に受け止めていたのね。
ホイットニー:その通りよ、オプラ。私の心の奥に刻んであったわ。
オプラ:
ドラッグへの依存はどれくらいひどかったのかしら?
ホイットニー:
同じ家に住んでいるのに一週間、
隣に座っているのに口もきかないただ座っているだけ。
そして、ただテレビを見つめているの。
ひどかったわ。
オプラ:
ドラッグはあなたに必要な安らぎをくれた?
ホイットニー:
時々ね。これは覚えていてほしいけど、
私達、一緒に腹を抱えて笑うような、
楽しい時間を過ごすことも時にはあったのよ!
でも自分の家にこうして座りながら、
知られたくないことを人から隠そうとするようになったら..
そこには傷ついた心があるだけ。
だから(ドラッグが)もっと欲しくなるの、
誰にも泣いているところを見せずにすむように。
私達が幸せではないことを、誰にも気づかれないように。
オプラ:
あなた自身は「ホイットニー・ヒューストン」
としての人生は終わった、と?
ホイットニー:
「ホイットニー・ヒューストン」としての人生、
そんなこと考えもしなかったわ。
私にはお金があり、自分の欲しいものに常にアクセスがあったの。
周りはみんな、『何が欲しいの?』『何が必要?』って感じで、
私はもう歌のことは考えてもいなかった。
オプラ:
歌うことを恋しく思わなかった?
ホイットニー:
思わなかったわ。
ボビーの浮気と家庭内暴力

オプラ:
あなたは結婚生活が終わりへと向かっていることに
気づいたと言ったわね?そこから抜け出そうと決心したのはその頃?
ホイットニー:
ええ。
『お願い、たった1日でいいから私に強さを与えてください』
と神様にお願いしたのを覚えているわ。
私はもう弱ってしまっていた。
ボビーに対して力を無くしていたの。
『愛』というものに対しても。
『これが本当に愛なの?これは一体何なのかしら?
私達これから一体どうなるの?』
オプラ:
あなたは彼に対して弱かったの?
それともドラッグに対して弱かったのかしら?
人はあなたがドラッグに対して弱かった、
と考えているようだけど...
ホイットニー:
彼こそが私にとってドラッグだったのよ。
私は彼なしでドラッグをすることはなかったわ。
一人でハイになることはなかったもの。
私達何でも一緒にしたのよ。
私達パートナーだった、それが私にとってのハイだったの。
私達は一緒だったわ、どんな時でもね。
オプラ:
それはあなたが彼の妻だったから...?
ホイットニー:
そう。そして彼は私の夫だったから。
それが私の考え方で、
その中で物事をうまくやろうとしていたの。
オプラ:ドラッグを摂って、
一体自分の周りで何が起きているのか
わからなくなったことはあるかしら?
いつだったか覚えていないけど、あなたの義理の姉が
あなたのバスルームの写真をタブロイド紙に売ったことがあったわね。
ホイットニー:
私はその時(家には)いなかったわ。
オプラ:
あなたが自分のベッドルームに引き籠もったまま、
何日も口をきかず過ごしていたと記事にはあったけど、
それは本当の事?
ホイットニー:
ええ。
オプラ:
ただ部屋の中で座って、ドラッグをしていたの?
ホイットニー:
そうね。電話で誰かと話したり、
テレビを見たり、ゴスペルを聞いたり...。
驚くかもしれないけど、私はまだ聖書を読んでいたわ。
私の中には聖書の教えがあって、
その中には神様がいる事を知っていた。
聖書の中には私が目指す光があることを知っていて、
私はそれを取り戻したかった。
自分に神様との繋がりを取り戻したかったの。
オプラ:
部屋の中に何時間も座って、
ドラッグに溺れた日々に何か変化を待っていたの?
ホイットニーの顔だけ切り取られた
家族の肖像画

ホイットニー:
そのうちにボビーが家の中のものを壊したりしはじめたわ。
ガラス製のものとか。
そして私の家族の大きな肖像画があったのだけど、
ボビーはその肖像画から私の頭の部分だけを切り取ったのよ。
私の頭だけを切り取るなんて、
さすがにゾッとしたわ。一つのサインだった。
それに彼は私のベッドルームに巨大な、意地悪な目を
描きはじめたこともあったわ。
部屋のどこにいてもその意地悪な目が私を見つめているの。
オプラ:
壁に絵を?
ホイットニー:
ええ。床に敷いた絨毯にも。
壁やクローゼットのドア。
ドアを開けるとそこにはまた別な絵が...。
私がドアを閉じると、そこには別な目と顔が描いてあって。
本当に気味が悪かったわ。
オプラ:
あなたは一体どうしたの?
ホイットニー:
私はそれを眺めながら
『神様、一体何が起こっているの?』
だんだん私は怖くなってきたの、
何か予想もしない出来事が起きるような気がして。
オプラ:
リハビリ施設にはどれくらいの期間入っていたの?
ホイットニー:
リハビリにも行ったわね。30日間の入所。
自分の子供を連れて行けるところを選んだ。
どこへ行く時も私は娘と一緒に行ったの。
彼女に私が経験していることを理解してもらいたかった。
私はあの子に嘘はつけなかった。
オプラ:
そうだったのね。彼女にドラッグについて説明したの?
ホイットニー:
ええ。
オプラ:
一体なんと説明したの?どんな風に?
ホイットニー:
私は娘に(ドラッグ使用を)
自分達の選んだライフスタイルと関係付けて説明したの。
私達の選んだライフスタイル。
そしてその選択によって、人生に何が起こるか。
母親のシシーが保安官を連れて
玄関に現れる

リハビリのプログラムは終了したけれど、
ドラッグはずっと使っていたの。
そんなある日、ママが突然私の家にやってきて。
今振り返ってみるとなんだか笑えるの、
彼女が私に対して持っていた愛と情熱が
今になると理解できるから。
母は保安官と一緒に家に入ってきて、
『ここに裁判所からの命令書があるわ。
私のいうことに従うか、もしくは無視するか、
どちらかしか選択はないわ。
さもなければ会見を開いて、引退しなさい。
(こんなビジネスは)もう諦めたほうがいいわ、
価値がない』
オプラ:
あなたのママが保安官と一緒にあなたの家に来たの?
ホイットニー:私の母は言ったわ、『こんなこと意味がないわ』って。
そしてボビーに言ったの、
『ちょっとでも動いたら、保安官はあんたのことも取り押さえるわよ。』
彼は怯えたみたいに、その場に立ち尽くしていたわ。
そして母は私にこう言ったの。
『さあ、行きましょう。一緒に。
私はおまえを失うつもりなんてないわ。
私はおまえを悪魔に渡すようなことはしない。
私はただ自分の娘を取り戻したいの。
おまえの瞳に輝きが宿るのをもう一度見たいの。
私は自分が育てた娘に会いたい、
おまえはこんな風には育てられていないはずよ。
今この場でどうするか選びなさい。
これが裁判所からの命令書よ。』
オプラ:
あなたのママが言っていたのは
あなたがリハビリに行く必要がある、ということ?
それともこの結婚から抜け出す必要があると言っていたの?
ホイットニー:
まずはリハビリに行き、
クリアな頭で決断しなければいけないの。